「洗車難民」を救えるか? 年間405拠点が消滅、拭き上げの負担を消す技術の正体
中古車価格の高止まりで、「洗車」が趣味から資産防衛へ変わり始めた。月1回以上洗う層は42%に達する一方、ガソリンスタンドは年間405か所減少。“洗車難民”が増えるなか、純水洗車が新たな収益源として急拡大している。
市場の二極化と次世代の収益モデル

純水洗車が広がる動きは、洗い方の変化を超えて、この業界の
「稼ぎ方そのもの」
を変えようとしている。車をきれいに保ちたいという意欲は根強い。日本自動車連盟(JAF)が会員に行ったアンケートでは、42.1%もの人が「洗車が好き」と答えている。前述の調査結果でも月に1回以上洗車をする層は一定数に達しており、自分の資産を丁寧に管理したいという思いが読み取れる。
しかし、こうした意欲とは裏腹に場所の確保は難しくなる一方だ。ガソリンスタンドなどの拠点が減り続けるなかで、質の高い手入れを望む人々が「洗車難民」となって溢れ出している。この需給のちぐはぐさを埋めるのが、純水という選択だ。
拭き上げの手間がなくなることは、忙しい現代人にとって時間の創出という価値になる。運営側にとっても、効率が上がり、少ない人手で利益を出しやすくなるメリットは大きい。
これから先、洗車の世界はふたつの道にわかれていくだろう。手軽で安い機械洗車か、あるいは高単価でも質の高い純水洗車か。環境への負荷を抑えるといった時代の要請を考えても、この仕組みが選ばれる理由は十分にある。
これまでの常識に純水という新しい選択肢が加わり、市場は厚みを増しながら、車社会を支える土台として形作られていくだろう。