「洗車難民」を救えるか? 年間405拠点が消滅、拭き上げの負担を消す技術の正体

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中古車価格の高止まりで、「洗車」が趣味から資産防衛へ変わり始めた。月1回以上洗う層は42%に達する一方、ガソリンスタンドは年間405か所減少。“洗車難民”が増えるなか、純水洗車が新たな収益源として急拡大している。

導入加速とDXが促す市場の拡大

純水洗車ができる洗車場(画像:大和ハウスパーキング)
純水洗車ができる洗車場(画像:大和ハウスパーキング)

 純水洗車の良さが浸透するにつれ、その裾野は専門店からカーディーラー、ガソリンスタンドへと着実に広がっている。

 IAAE2026に出展したマーフィード(神奈川県横浜市)が示した数字は、経営の観点からも興味深い。超純水ユニット「HYPER WATER」を導入したあるディーラーでは、

「1日10時間」

の作業時間を削り、月1.3人分の手間を省くことに成功した。投資にかかった費用もわずか1.2年で回収できたという。

 人手が足りない現場において、個人の腕前に頼らずに質を保ち、稼ぐ力を引き上げるための道筋がここにある。ガソリンスタンドの事例では、洗車の回数が159%も伸び、客単価は

「約30%」

上がった。こうした動きに呼応するように、2024年から2025年にかけて300台もの販売実績を上げたメーカーも現れている。

 なかでも、大和ハウスパーキング(東京都港区)が進める「D-Wash」の取り組みは目を引く。すべてのブースで純水を使い、AIによる番号認証で支払いの手間をなくすなど、土地から生み出す利益を最大化させる仕組みを整えた。2024年8月に町田市で始まったこの試みは、2026年3月時点で11か所に増え、年度内には全国30件まで広がる見込みだ。

 一方で、個人の関心も高まっている。オートバックスの公式通販では1万8480円から手に入る製品が並び始めた。プロの仕事場から個人の軒先へ――市場は今、かつてない広がりを見せている。

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