いよいよ「SUVブーム」終焉か? 平均価格770万円が崩す米国市場、トヨタ・カムリが「モデルY」に迫る根本理由
SUV全盛から20年、米新車販売は2026年Q1で371万台(前年比▲5.5%)と減速。平均価格4.9万ドル、EV減税終了と金利高で“実利志向”が強まり、セダン回帰が進み始めた。
収益性維持の壁と製造工程の抜本改革

セダン回帰を実現する上で最大の壁となるのは、利益率をいかに維持するかという点だ。原材料費や電池代が高止まりするなか、SUVより安い価格を打ち出しながら利益を守ることは決して簡単ではない。
一台あたりの儲けが大きいSUVから利益の薄いセダンへ重心を移すことは、
「投資家からの評価」
に直結する重い決断となる。手元にある部品を流用するだけでは、価格競争力を守り抜くことは難しい。大規模な一体鋳造技術を取り入れるなど、製造のあり方を根本から見直し、コスト構造そのものを変える覚悟が求められている。
今回のセダン回帰は、長く続いたSUV主体の市場が転換点を迎え、用途や価格に応じた選択肢が広がる前触れといえるだろう。人々の関心は、所有する満足感から、移動にかかる費用をいかに抑え込むかという実利の方へ移りつつある。安い車両でありながら高い投資利益率を叩き出す仕組みを築けるか。それが各メーカーの将来を左右することになる。
この流れが一時の揺り戻しで終わるのか、それとも新しい標準へと育つのか。企業の戦略と政府の動向が、その行方をわかつことになるだろう。