いよいよ「SUVブーム」終焉か? 平均価格770万円が崩す米国市場、トヨタ・カムリが「モデルY」に迫る根本理由
SUV全盛から20年、米新車販売は2026年Q1で371万台(前年比▲5.5%)と減速。平均価格4.9万ドル、EV減税終了と金利高で“実利志向”が強まり、セダン回帰が進み始めた。
燃費規制の枠組み変化と企業の財務防衛

米政府が打ち出した燃費基準の見直しも、セダンへの回帰を後押しする格好となっている。車両の効率性が改めて問われるなか、空気抵抗を抑えやすいセダンは燃費性能で有利な立ち位置にある。こうした状況は、規制対応に関わる持ち出しを最小限に留めたいメーカー側の判断にも影響を及ぼし始めた。
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2025年12月、企業平均燃費(CAFE)基準を調整する案を公表した。2022年から2031年モデルの目標値を改める方針だ。2031年までに1gal当たり50.4mi(1L21.4km)を目指していた従来の目標を、34.5miへ引き下げている。注目すべきは、この変更に合わせて、これまでライトトラック扱いだったクロスオーバーや小型SUVを「乗用車」の区分へ移す方針が示された点だろう。
小型SUVが乗用車として扱われるようになれば、メーカーはこれまで以上に厳しい燃費基準と向き合わなければならない。これは実質的に、SUVの販売を続けるためのコストが膨らむことを意味している。
メーカーにとって、燃費に優れたセダンの販売比率を高めることは全体の平均値を底上げし、当局への罰金や他社からの排出枠購入といった支払いを減らすための、現実的な手立てとなる。規制の枠組みが変わったことで、企業の財務を守るための動機がセダンの存在価値を押し上げているのだ。