いよいよ「SUVブーム」終焉か? 平均価格770万円が崩す米国市場、トヨタ・カムリが「モデルY」に迫る根本理由

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SUV全盛から20年、米新車販売は2026年Q1で371万台(前年比▲5.5%)と減速。平均価格4.9万ドル、EV減税終了と金利高で“実利志向”が強まり、セダン回帰が進み始めた。

車両価格高騰と実利重視の消費行動

米国車両平均価格推移(画像:コックスオートモーティブ)
米国車両平均価格推移(画像:コックスオートモーティブ)

 2026年1月から3月にかけての第1四半期、米国の新車販売台数は371万350台と、前年同期に比べて5.5%のマイナスを記録した。2025年9月末に電気自動車(EV)への税控除が打ち切られた影響は大きく、同年10月以降、販売実績が前年を下回る状態が尾を引いている。背景には、

・自動車ローンの金利上昇にともなう負担増や高止まりする車両価格
・不安定な中東情勢を受けたガソリン価格

の上昇といった逆風がある。前年同期には追加関税を見越した駆け込み需要があったため、その反動も数字に表れた。

 米調査会社のコックスオートモーティブによれば、2026年3月の平均販売価格は前年同月比で3.5%上がり、4万9275ドル(約773万円)に達した。長らく続いたSUVブームや物価高によって、価格上昇の勢いはなかなか収まらない。この水準は米国の平均的な世帯年収からすれば支払いの限界に近く、車を選ぶ基準がかつてのような見栄から、家計への負担を減らす

「実利の追求」

へ移り変わっている。手頃なセダンが脚光を浴びているのは、高額なSUVの代わりに、過剰な空間や重さを削ぎ落とそうとする判断が働き始めたからだろう。

 セダンはSUVと比較して車体が軽く、作りも簡素なため、製造コストを抑えやすい強みがある。売り出し価格を低く設定できることは、今の市場では大きな武器になる。過剰な機能が生活の重荷となっている現状で、移動を支える合理的な土台として、セダンが改めて見直されている。

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