岸田内閣がコロナ政策を転換 鉄道・バス事業者はV字回復なるか? 参院選の道具となった「ワクワク割」の行方とは
ホンダはテレワーク撤廃

国土交通省は、鉄道による地方への誘客を活性化させる取り組みとして、
・車内トイレの洋式化
・空港からのアクセス路線の充実
・駅へのサイクリングステーションなどの開設
など、地域内交通の整備を打ち出している。これら鉄道による誘客が活発化することで、政府や地方自治体は農業・飲食業・宿泊業などの振興を見込む。
入国者数の緩和により外国人観光客が増えることは容易に想像できる話だが、コロナ禍が収まることで行動制限の緩和や解除は副次的な効果も生んでいる。コロナ禍により推奨されてきたテレワークという働き方のスタイルが、少しずつ出社する方針へと回帰しているのだ。
自動車メーカーのホンダは、コロナ禍でテレワークを導入。しかし、2022年5月からは段階的に出社を原則にすることを通達している。ホンダは少しずつ出社の対象範囲を広げ、最終的には全社で出社を前提にした勤務形態へと戻していくという。
こうなると、通勤需要も増加していくだろう。日本国内は人口が減少する局面に入っており、長期的に見れば今後の通勤需要は逓減する。とはいえ、コロナ禍で消失した通勤需要が戻ってくることは鉄道事業者にとって大きな福音となる。それは鉄道事業者の運輸収入だけではなく、通勤者の流動が生まれることで駅ビルや駅構内の不動産価値が高まること意味する。
もちろん、これはコロナ禍が再襲来・拡大しないことを前提とした話にすぎない。すでに第7波の兆候が出ている地域もあり、変異株による再拡大の懸念もある。なにより、コロナが収束しても約2年半にも及ぶ空白を回復させるには2年半以上の歳月が必要になる。
これまでの政府はコロナ収束後に観光業・交通業へのテコ入れ策としてGoToキャンペーンに旗を振ってきた。岸田内閣は名称・趣旨を変更して、「イベントワクワク割」を実施する予定とアナウンスしている。
まだイベントワクワク割の開始時期や実施期間をはじめとする詳細までは決まっていない。今夏、参議院選が目の前に迫っている。永田町では、選挙に効果的なタイミングを見計らって発表されるとの予測が強まっている。
岸田首相がコロナと経済・社会の折り合いをどうつけるのか? 鉄道・バスといった交通事業者はV字回復できるのか? そのかじ取りに注目が集まる。