月極駐車場「EV充電器導入」は本当に割に合うのか? 初期費用「200万円」が突きつける、インフラ投資の静かな矛盾
EV普及は加速する一方で国内登録は1.6%にとどまり、充電インフラ整備が政策主導で進むなか、月極駐車場は200万円規模の投資と収益性の狭間で“設備導入の現実解”を迫られている。
EV普及の初動段階とHV優位の構造

日本自動車販売協会連合会の統計を見ると、2025年の電気自動車(EV)の登録台数は3万9885台。前年比117.1%という数字は増加傾向を示すが、市場全体に占める割合は1.6%と極めて低い。
国内市場では既存のガソリン供給網をそのまま使いこなせるハイブリッド車(HV)の利便性が強固であり、普及を妨げる壁になっている。これまでの移動や給油といった日常の行動様式を根底から変えていくには、まだ相当なコストを支払う必要がありそうだ。
充電インフラ拡大と政策主導の投資加速

一方で、国は拠点の整備を強力に進めている。2023年10月に打ち出した指針によれば、2030年までに30万口を整備する構えだ。2023年に3.2万口だった充電設備は、2024年3月時点で4万口、2025年3月には6.8万口へと着実に積み上がってきた。
政府は民間による投資の勢いを重く見て、2025年度の補正予算に約500億円を盛り込んだ。補助金に頼り切る状態から抜け出し、事業として自立させるための段階的な手立てといえるだろう。
これほどの公的資金を投じる裏には、今の社会の仕組みを保ったままでは進まない動力源の切り替えを、インフラ側から促す狙いがある。こうした状況下で、月極駐車場のオーナーが全区画への導入を急ぐことに、果たしてどれほどの理があるのかを検討したい。