「日本車は終わるのか、始まるのか」 自動運転で中国・テスラと主導権闘争、勝敗を左右する“国の信頼”首位70%という実績

キーワード :
,
2030年代に世界シェア25%を掲げた日本の自動運転戦略が動き出した。2035年に27兆円規模へ膨らむロボタクシー市場、米中対立が強まる中、信頼と安全を武器に主導権を握れるか。官民一体の勝負が始まっている。

テスラ主導の海外展開拡大

テスラ・FSD(画像:テスラジャパン)
テスラ・FSD(画像:テスラジャパン)

 テスラが自前で磨き上げてきた自動運転ソフト「FSD」の普及が、米国を越えて加速している。2026年4月にはオランダ当局から認可を取り付け、いよいよ欧州市場への展開が現実味を帯びてきた。カナダやメキシコでの先行事例に続き、世界各地へその網を広げようとしている。

 これに対し、日本勢は品質の高さと確かな挙動を武器に迎え撃つ構えだ。トヨタは、一定の条件下で運転手が関わらない「レベル4」の技術を2027年度にも導入する。2025年9月に世に送り出した電気自動車「e-Palette」は、まずはレベル2からの船出となったが、2027年度には高度な仕組みを積み込み、段階的にその機能を高めていく計画だ。この車両は他社の開発キットを受け入れる懐の深さを持ち、地域ごとの事情に合わせた柔軟な運用を見込んでいる。

 車の価値をソフトウェアが決定づけるソフトウェア定義型車両(SDV)への転換も、着実に歩みを進めている。ウーブン・バイ・トヨタの現場では、車体を造る前にソフトを完成させる手法を取り入れた。ハードの寿命に縛られず中身を更新し続け、車の鮮度を保つ仕組みを整えつつある。

 日産もまた、長期的な視点から多くの車種にAIを積んだ自動運転機能を載せる意向だ。外部勢との連携を深めることで、実社会でのサービス展開を急ぐ。自前主義にこだわらず他社と手を結ぶやり方は、コストを分散させながら実用化の時計の針を早める、極めて現実的な選択といえるだろう。

全てのコメントを見る