「日本車は終わるのか、始まるのか」 自動運転で中国・テスラと主導権闘争、勝敗を左右する“国の信頼”首位70%という実績

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2030年代に世界シェア25%を掲げた日本の自動運転戦略が動き出した。2035年に27兆円規模へ膨らむロボタクシー市場、米中対立が強まる中、信頼と安全を武器に主導権を握れるか。官民一体の勝負が始まっている。

米国で強まる中国製ソフト警戒

フォード・ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)(画像:フォード)
フォード・ジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)(画像:フォード)

 米国では、中国製ソフトウェアの安全性に対する不信感が急速に高まっている。フォード・モーターの最高経営責任者(CEO)、ジム・ファーリー氏は、中国勢の米国市場参入を認めれば自国の製造業が壊滅的な打撃を受けると警鐘を鳴らした。

 2026年4月13日、報道番組に出演したファーリー氏は、製造業は国の屋台骨であると強調。中国からの輸出攻勢によって産業が空洞化すれば、国家そのものが立ち行かなくなると危機感を露わにした。政府の手厚い支援を背景にした低価格競争は、そもそも公平ではないというのが彼の主張だ。さらに、車載カメラが捉える大量のデータが外部に渡るリスクについても、安全保障上の大きな懸念として挙げている。

 こうした地政学的な緊張は、日本にとっては市場での立ち位置を強固にする追い風となり得る。特定勢力の動きが制限されるなかで、日本勢が存在感を発揮しやすい土壌が整いつつあるからだ。

 自動運転の領域では、データの扱いやサイバー防御といった「国の防衛」に直結する課題が切り離せない。事実、シンガポールのISEASユソフ・イシャク研究所が東南アジアを対象に行った2025年の情勢調査によれば、日本への「信頼」は

「66.8%」

と、欧州(51.9%)や米国(47.2%)を大きく引き離して首位に立つ。対照的に、中国(36.6%)やインド(35.3%)は信頼が低く、特に中国は「不信」が41.2%と信頼を上回る結果となった。

 この圧倒的な「信頼の高さ」は、いまや技術力を超えた価値を持ち始めている。米国と歩調を合わせ、情報の透明性を重んじた供給網を築き上げることが、日本車の需要を底支えする新たな土台となるはずだ。

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