日産、歴史的「1100万台」拠点を中国勢と共有へ――稼働率5割の英国工場で進む“相乗り”、突きつけるグローバル再編とは

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稼働率5割、年27万台に落ち込む日産サンダーランド工場を巡り、中国・奇瑞汽車との“相乗り”協議が浮上。スペイン・南ア・英国へ広がる拠点継承は、Re:Nissanの再建と世界の生産地図再編を同時に揺さぶる。

工場“相乗り”交渉の浮上

日産・英国サンダーランド工場(画像:日産自動車)
日産・英国サンダーランド工場(画像:日産自動車)

 日産自動車が、英国サンダーランド工場の“相乗り”に向けて動き出した。英フィナンシャル・タイムズ紙(2026年4月16日付け)が報じたところによれば、日産は中国の奇瑞汽車(チェリー)と、同工場を共同利用するための協議を進めているという。

 現在のサンダーランド工場は、稼働率が5割程度まで落ち込んでいる。一方で、敷地内には複数の建物が並び、それぞれ独立したラインを持つ。この構造が、他社を受け入れる器として皮肉にも機能した形だ。両社の接点は、今回が初めてではない。奇瑞はすでに日産のスペイン商用車工場を買い取っており、2026年1月には南アフリカ工場の買収でも合意を取り付けている。もし英国での協議がまとまれば、日産から奇瑞へ拠点が引き継がれる事例は3件目にのぼる。

 かつてのように自前で生産能力を抱え込み、すべてのラインを独占する――そんな経営のあり方は、もはや過去のものになりつつある。固定費を削るために重たい資産を手放したい日産と、ゼロから作る手間を省いて完成された拠点を手にしたい奇瑞。両者の思惑は、驚くほど合致している。

 日産の海外拠点を次々と手中に収める奇瑞が、今後さらに踏み込んだ協力関係を築くことになるのか。そこにあるのは、たまたま利害が一致したという以上に、切実な生き残りの論理だ。

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