日産サクラ「15万円値下げ」の衝撃――ガソリン車を約10万円下回る価格設定、家計を直撃する燃料費負担への有力な対抗策となるか?
サクラ値下げと価格競争の前進

日産自動車は2026年4月16日、軽規格の電気自動車(EV)「サクラ」の改良型を発表した。今夏に発売予定のこの車では、最も安いSグレードの価格を従来より15万円引き下げる。2025年度補正予算による「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」58万円を使うと、Sグレードの実質購入価格は
「186万8600円」
となる。これは、現在196万円まで上がっている軽ガソリン車の平均価格を約10万円下回る水準である。この価格改定は、日産・三菱の連携による生産の習熟と、部材調達の量産効果が軽自動車の領域まで及んだ結果といえる。
サクラは2022年の発売以来、4年連続で国内の暦年EV販売台数1位を維持している。今回の改良では、販売の中心となるグレードの標準装備を充実させながら価格を据え置き、さらに15万円安い低価格グレードを新設することで、需要のすそ野を広げる狙いがある。
調査によれば、EVの購入意向は約2割にとどまり、電動車に追加費用を払いたくないという意見は4割から5割に達する。こうした状況下で、車両価格をガソリン車と同等以下に抑えたことは、普及の壁を経済面から越えようとする動きといえる。
特に、EVへの移行を促す要因としてガソリン代の負担感は無視できない。調査では燃料費を重く感じる人が4割を超えており、中東情勢の影響で燃料価格が不安定になるなか、自宅で充電できるEVは家計を守る手段となっている。こうした石油依存を避ける動きは、欧州でも加速している。ロイターの報道(2026年4月20日付け)によれば、2026年第1四半期の欧州市場におけるEVの販売台数は前年同期比で約3割増加した。イランでの紛争によるガソリン高騰を受け、3月単月では51.3%増の24万台超を記録しており、エネルギー確保の観点から内燃機関車を離れる選択が世界規模で広がっている。
日産は値下げによって購入費、安心感、維持費の三つの負担を同時に軽くし、市場の構図を変えようとしている。サクラの販売動向は、ガソリン車中心の流れが転換点を迎えるかどうかを占う材料となる。