「日本の基幹産業」を襲うナフサ危機! 自動車部品を支える工業用ゴムの「54%」が示す供給断絶の予兆
帝国データバンク調査で、ナフサ関連は国内製造業15万社の約3割・4万6741社に波及。原油高で96.6%が影響を訴え、WTIは90ドル台へ急騰し供給網の脆さが露呈。構造的リスクが浮き彫りになった。供給網の転換点である。
中小企業偏重の影響構造

帝国データバンクが2026年4月17日に発表した「「ナフサ関連製品」サプライチェーン動向分析調査」は、供給網のなかでも見えにくい上流の実態を、数値で浮き彫りにした点に価値がある。
ナフサ由来の基礎化学品を扱う52社を起点として、一次・二次の取引先までたどると、国内製造業約15万社のうち4万6741社、実に「約3割」がその影響下にあることがわかった。
内容を詳しく見ると、さらに深刻な状況が浮かび上がる。該当企業の約9割を占めているのは、売上高1億円未満の
「中小企業」
だ。これはコストが上がるという話ではない。供給網の下流にいけばいくほど、コストを販売価格に乗せることが難しくなり、現場が負担を抱え込まざるを得ない構造を物語っている。
そもそも、この連鎖の始まりであるナフサとは何か。石油製品のひとつであり、ガソリンに近い無色の液体だ。液化石油ガスに次いで沸点が低く、35度から180度の範囲で抽出される軽い成分を指す。ここからエチレンやプロピレン、ベンゼンといった、石油化学の土台となる基礎原料が生み出される。
自動車の分野も、影響が懸念される。「約3割」という数字は、そのまま部品供給の不安定さに直結しかねない。ナフサから枝わかれした樹脂や接着剤、ゴムといった素材は、バンパーや座席、内装など、一台の車両のいたるところに使われているからだ。上流で起きた変化は、目に見えない速さで、しかし確実に、巨大な産業の末端まで波及していく。