「日本の基幹産業」を襲うナフサ危機! 自動車部品を支える工業用ゴムの「54%」が示す供給断絶の予兆
帝国データバンク調査で、ナフサ関連は国内製造業15万社の約3割・4万6741社に波及。原油高で96.6%が影響を訴え、WTIは90ドル台へ急騰し供給網の脆さが露呈。構造的リスクが浮き彫りになった。供給網の転換点である。
価格問題か構造問題かの分岐

ナフサ不足という現象は、一見すれば中東情勢の緊迫が生んだ一時的な混乱に映るかもしれない。しかし、供給網の脆さ、時間に対する耐性の低さ、そして特定資源への過度な依存という三つの課題を同時に突きつけられた今、これを運の悪さで片づけることはできないだろう。
ここで向き合うべきは、この事態を価格の波と捉えるか、それとも
「仕組みそのものの歪み」
と捉えるかという問いだ。もし一時的な価格の問題であれば、いずれ時が解決し、需給もかつての平穏を取り戻すだろう。だが、もしこれが産業の土台に関わる構造的な問題なのだとしたら、話は別だ。私たちは今、産業のあり方そのものを根底から見つめ直す局面にある。
手元の車に使われているタイヤ、ボディを彩る塗料、部材を繋ぎ止める接着剤。それらひとつひとつが、遠く離れた異国の政治情勢や、細い糸のような物流ルートの上に危うく成立している。その前提が一度崩れれば、影響はたったひとつの部品で止まることはない。波紋は音もなく、しかし確実に産業の全域へと広がっていく。
すでに予兆は至るところに表れている。それが一過性の嵐に過ぎないのか、それとも時代の潮目が変わる大きなうねりなのか。その答えはまだ、誰の手元にも届いていない。