軽自動車に乗るオッサンは「恋愛対象外」なのか? 20〜30代独身女性の4割が示した“車格フィルター”の正体

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前回記事「軽自動車と男性評価」を巡り反響が拡大。20~30代女性1005人調査ではSUV支持38.0%、軽敬遠38.8%。車を巡る価値観対立は“合理性”と“象徴性”の分岐点として再燃している。

200万円の軽はむしろ誇り

軽自動車を巡る価値観の変化。
軽自動車を巡る価値観の変化。

 2026年の今、車は「持つもの」から「使うもの」へ、そして排気量から電気駆動へとその姿を変えている。EVへのシフトが進めば、エンジンの大きさで車の格を決めるような古い物差しは、おのずと消えていくだろう。都内に住む人の67.6%、地方でも47.6%が「クルマ離れ」を自覚しているという2026年3月の調査結果を見れば、車が自分の価値を裏付けるための道具ではなく、移動を支えるための手段に変わったのは明らかだ。車で個性を競い合うのではなく、いかに時間を有効に使うための道具として選び取るか。そんな視点が問われる時代に入っている。

 都内を中心に、月額制で車を利用するサブスクリプションも広く普及した。その利用を検討したいと考える人は、都内で84.4%、地方でも66.6%に上り、いずれも2022年と比べて2倍以上の高い水準に達している(「KINTO」2026年3月24日発表)。所有という重荷を下ろし、必要な時だけ賢く使う。こうした合理的な感覚が、世代を超えて浸透しているのだ。前述の通り軽自動車の保有台数は大幅に増え続けており、日本人が生活のなかでいかに効率を追い求めてきたかを物語っている。

 もはや車のサイズは恥の対象などではない。それは、どれだけの空間を自分のために占めるかという、極めて個人的な生活上の判断に過ぎない。分かち合う仕組みが当たり前になれば、移動手段に自分の体裁を重ねるような古い感覚も、やがて消えていくはずだ。

 結局のところ、「オッサン」が軽自動車に乗ることを恥ずかしいと感じる心は、過去の価値観に縛られている証しといえる。大切なのは、自分の暮らしに馴染む道具を選び、手入れをしながら使い倒すことだ。前述の通り女性への調査で軽自動車が敬遠される一方でSUVが支持されるという現実。それを踏まえた上で、なお他人の視線に惑わされず、自らのスタイルを貫けるか。誰かの承認を求めないその潔さこそが、今の日本で最も価値のある、成熟した大人の誇りとなるのではないか。

 お金を賢く使い、身の丈に合った豊かさを守る。その落ち着いた選択こそが、この時代において最も賢明な生き方だといえるだろう。20代~30代の独身女性にモテなくても大丈夫なのである。

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