トヨタEV「173%増」――それでも日本の関心が「世界最下位」にとどまるのはなぜか? 巨人の前進と、動かない市場の距離

キーワード :
, ,
トヨタ自動車が好調な販売を維持する一方、EV関心は日本でマイナス28%と主要国で最低水準に沈む。販売は伸びても需要は動かない。HVが53%を占める市場で、合理的な選択の積み重ねが電動化の進みを鈍らせている現実が浮かび上がる。

各国でわかれるEV関心度

イプソスモビリティレポート2026(画像:イプソス)
イプソスモビリティレポート2026(画像:イプソス)

 世界的な調査会社であるイプソスが、日本を含む31か国、2万3722人を対象にした「イプソスモビリティレポート2026」を公表した。調査は2025年11月21日から12月5日にかけてオンラインで行われ、インド、カナダ、米国、韓国、英国、日本など幅広い国が対象となっている。この大量のデータが示すのは、2026年時点における移動手段への各国の人々の率直な評価である。

「電気自動車を運転することに興味があるか」という問いに対し、前向きな回答はインドネシアとメキシコの60%を先頭に、チリ57%、中国56%、タイ54%、コロンビアとペルー49%と続く。さらにインド40%、アルゼンチン39%、マレーシア38%、ブラジル36%、南アフリカとトルコ35%、シンガポール26%、韓国23%、スウェーデン18%、アイルランド15%、ニュージーランドとスペイン14%、イタリア11%、英国9%、オランダ7%、オーストラリア3%と並ぶ。これに対し、関心の低さが目立つのはハンガリー、ポーランド、米国(マイナス4%)、カナダとドイツ(マイナス5%)、フランス(マイナス11%)、ベルギー(マイナス15%)で、日本はマイナス28%と調査対象のなかで最も低い数値となった。

 日本市場でのEVの受け止め方には、高い壁がある。マイナス28%という突出した数値は、関心が低いというより、今の暮らしを守ろうとする強い意識の表れともいえる。日本ではガソリンスタンドや整備網など、内燃機関を支える基盤が非常に高い水準で整っている。これらを手放す際の負担への警戒感は強い。

 一方で新興国の関心が高いのは、もともとの基盤が十分に整っていないため、古い仕組みに縛られにくいからだと考えられる。日本の関心の低さは、現在の仕組みが行き届いているからこそ変化に慎重になるという、現実的な判断の積み重ねによる結果といえる。

全てのコメントを見る