「不祥事は絶対に忘れない」 それでも“旧ビッグモーター”の流れをくむ企業が4位浮上! 顧客満足度ランキング、5610人の選択とは
承継企業の評価上昇

今回の調査結果で、ひときわ目を引いたのがWECARSの動向だ。69.7点というスコアで4位に食い込んだ。これまでは「高評企業」という枠内での扱いに留まっていたが、いよいよ上位の一角に顔を出した格好だ。なかでも、「店の利用のしやすさ」で首位のオートバックスカーズと並ぶ73.6点を記録した点は見逃せない。かつて社会を揺るがすほどの不祥事を起こした組織であっても、看板を掛け替え、時が流れることで、再び買い手の品定めという土俵に上がれることを物語っている。
振り返れば、WECARSの成り立ちは異例だった。2024年5月、旧ビッグモーターの事業を引き継ぐ形で産声を上げている。旧会社では、
・ゴルフボールで車を傷つけて保険金を上乗せする不正
・街路樹への除草剤散布
といった、組織ぐるみの歪んだ行いが次々と明るみに出た。国からも厳しい処分を下され、一時は存続さえ危ぶまれたのは記憶に新しい。その後、創業家を退け、伊藤忠グループなどの出資によって新体制へと舵を切った。約250の店舗と4200人もの働き手を引き継ぎ、いまは組織のありようを根本から見直して出直しを図っている。なお、過去のしがらみである賠償対応については、別会社のBALMが引き受ける形をとっている。
もっとも、この順位を額面とおりに受け取り、「完全な復活」と呼ぶのはまだ早いだろう。今回の躍進を支えたのは、旧体制から受け継いだ巨大な店舗網や、立地の良さといった
「目に見える資産」
だ。不信感は消えずとも、身近にある店の便利さは、わざわざ遠くの店を訪ねる手間を上回ってしまう。買い手は、過去への抵抗感と目の前の損得を天秤にかけ、新しい運営に変わったという建前を信じて、効率のよい道を選んでいる。決して過去を忘れたわけではない。実利主義と、消えぬ疑念。その両方が入り混じった複雑な判断の結果といえるだろう。