なぜ日本人は「自転車専用レーン」を選ばないのか?――支持率31か国中「最下位」 インフラ不在のまま家計を削る「青切符」の現実

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支持率45%、判断保留40%――専用レーンに踏み切れない日本で、青切符が先行し出費だけが現実化した。制度理解は16.5%、スマホ反則金を知るのは3%にとどまる。環境整備と知識が追いつかぬまま、違反と家計負担が静かに拡大している。

不明確な利点と判断保留

自転車イメージ(画像:写真AC)
自転車イメージ(画像:写真AC)

 世論調査会社イプソス(日本オフィス、東京都港区)が公表した「モビリティレポート2026」(2026年4月2日発表)の数字を眺めると、日本の特殊な立ち位置が浮き彫りになる。自転車専用レーンに対する支持率は、わずか45%。調査対象31か国中で「最下位」で、世界平均の67%とはあまりに乖離がある。

 ただ、日本人がこの施策を真っ向から拒絶しているのかといえば、そうでもないらしい。「どちらともいえない(中立)」という回答が40%に達し、これもまた世界で突出して高いのだ。反対の声が渦巻いているというよりは、新しい仕組みが暮らしにどう馴染むのか、その手触りを確認できないまま判断を棚上げしている――そんな空気感が伝わってくる。

 もちろん、安全への関心が薄いわけではない。世界を見渡せば道路の安全性に不安を覚える人は55%にのぼり、住宅街の速度規制についても7割が賛成に回っている。日本もこの方向性自体は共有しているはずだ。

 それなのに、なぜ「空間を分ける」解決策への評価がここまで鈍いのか――おそらく、道幅が限られたこの国では、専用レーンを設けることが「誰かのための利便」ではなく

「自分のための不利益」

に映ってしまうのだろう。具体的なメリットが想像できないなかで、波風を立てるよりは現状を維持する。そうして慎重に言葉を選んでいるうちに、議論そのものが足踏みを続けているのが実状ではないか。

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