沖縄に「幻の航空会社」が存在した! 1500人が集まった青い機体、それでも一度も空へ舞うことなく消えた就航構想とは
未就航に終わった意義

一度も飛ぶことなく消えたレキオス航空。事業環境を踏まえると厳しい条件が多かったと考えられるが、沖縄県のことを思えば存続してほしい会社でもあった。とりわけ外国人観光客の輸送という点では、惜しまれる点が大きい。
沖縄は海外でも人気の観光地であるが、国際線は2026年2月に就航した日本トランスオーシャン航空(JTA)の那覇~台北線を除き、ほとんどが海外航空会社の路線となっている。そのため沖縄県および日本の航空業界は、沖縄を訪れる訪日外国人の需要の多くを取り込めていない状況にある。
アジア路線への意欲も強かったレキオス航空が現代に存在していれば、那覇をはじめ県内各地から多くの国際線が運航され、沖縄全体の経済にも影響を与えていた可能性がある。そう考えると残念でならない。
本土から離れ、海も荒れやすい沖縄県では、航空は他地域以上に重要な移動手段となっている。しかし現在の沖縄の航空輸送は、大手2社とその傘下企業への依存度が高い。キャンペーンなどで需要が急増した場合や、航空会社の経営が揺らいだ場合には、交通が滞るおそれがある。
実際、日本航空が経営破綻した2010(平成22)年には提供座席数が大きく減少し、沖縄の観光業界はリーマン・ショック以上の影響を受けたとされる。2008年の水準に戻るまでに約5年を要したと当時の関係者は語っている(「リーマン・ショック10年と沖縄経済 景気回復、観光けん引 産業、雇用の充実課題」琉球新報 2018年9月15日)。
近年の例としては、マイル利用を目的とした需要が集中した宮古~多良間線がある。2026年2月の日本航空のマイル増額キャンペーンにより、同路線は利用客で埋まり、多良間島の住民が大きな病院へ通うことさえ難しくなる状況が生じた。このような事態が起きると、レキオス航空のように沖縄を拠点とする独立系の航空会社があればと考えざるを得ない。
沖縄県では人口が増えている地域もあり、国内外からの観光需要も伸び続けている。こうした需要を取り込み、再び沖縄独自の航空会社が立ち上がる動きが生まれることを、ひとりの航空ライターとして願う。