日本はトランプに踊らされるしかないのか? 「ガソリン200円時代」の警戒信号――クルマは“走る財布”に変わるのか
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原油1バレル110ドル、ガソリン200円超。中東情勢と外交リスクが直撃する日本経済に、石油依存から脱しEVと自立型電力網で強靭なエネルギー基盤を築く決断が迫られている。
中東情勢と原油高騰

2026年2月末、米国とイスラエルによるイランへの大規模攻撃が世界を揺るがした。イランの報復は中東の原油供給網を直ちに機能不全に追い込み、サウジアラビアやカタールなど周辺国のエネルギー施設も標的となったことで、市場はパニックに陥った。ホルムズ海峡封鎖のリスクが現実味を帯びる中、WTI原油先物価格は一時1バレル110ドル台後半に達し、2022年のウクライナ危機以来の高値を記録した。
さらに、米国トランプ大統領の「戦争は予定より早く進んでいる」という発言が、相場を激しく乱高下させている。この余波は日本にも直撃した。暫定税率でどうにか150円台を維持していたレギュラーガソリン価格は、あっという間に200円を超える危険水準に達した。燃料費の高騰は家計を圧迫するだけでなく、排気量や馬力を重視してきた従来型車両の価値を根底から揺るがしている。
高額な燃料費が続けば、燃費性能の劣る大型ガソリン車の資産価値は低下し、ユーザーは車を所有することから、燃料費の変動リスクを避けられる利用サービスへと関心を移す。メーカー側も、走行性能より熱効率や軽量化への開発にリソースを集中せざるを得ない状況だ。トランプ政権の強硬策と中東の戦火は、石油依存から抜け出せない日本経済の急所を正確に突いている。