日本はトランプに踊らされるしかないのか? 「ガソリン200円時代」の警戒信号――クルマは“走る財布”に変わるのか

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原油1バレル110ドル、ガソリン200円超。中東情勢と外交リスクが直撃する日本経済に、石油依存から脱しEVと自立型電力網で強靭なエネルギー基盤を築く決断が迫られている。

外交リスクと石油依存

ガソリンのイメージ(画像:写真AC)
ガソリンのイメージ(画像:写真AC)

 世界情勢の不透明感は増し、中東の紛争は長期化の様相を呈している。トランプ大統領は事態の早期終結を主張するが、現実は複雑だ。イランの新最高指導者モジタバ・ハメネイ師の強硬姿勢は変わらず、周辺のエネルギー施設への攻撃が断続的に続く可能性は高い。

 こうした情勢は、ホルムズ海峡を通るタンカーの保険料を押し上げ、ガソリン価格の上振れを常態化させる。日本の構造的な問題は、エネルギー価格が外交交渉のカードとして使われ、自ら価格を決める力を持たない点にある。石油調達を外部に依存している限り、国内産業は他国の指導者の発言や遠方の戦火に左右される状態に置かれる。

 ガソリン価格の高止まりが続けば、内燃機関専用の生産設備は資産価値を失い、メーカー経営を圧迫する。石油依存を続けるかぎり、日本車が築き上げた信頼性も、エネルギー供給の脆弱性によって揺らぐ恐れがある。不確実な原油価格を前提にした多角的な開発戦略は、抜本的な見直しを迫られているのだ。

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