日本はトランプに踊らされるしかないのか? 「ガソリン200円時代」の警戒信号――クルマは“走る財布”に変わるのか

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原油1バレル110ドル、ガソリン200円超。中東情勢と外交リスクが直撃する日本経済に、石油依存から脱しEVと自立型電力網で強靭なエネルギー基盤を築く決断が迫られている。

物流業界と物価への圧迫

停泊するタンカー船(画像:写真AC)
停泊するタンカー船(画像:写真AC)

 燃料費の急騰は、国内のあらゆる産業に深刻な影響を及ぼしている。特にトラック輸送を軸とする物流業界は機能不全に陥りつつある。

 軽油価格の異常な高騰は、事業者の利益を圧迫するだけでなく、採算の合わない配送ルートを切り捨てざるを得ない状況を生んでいる。この結果、地方では荷物が届かない空白地帯が広がり、物流費の上昇は食料品から日用品まで幅広く物価を押し上げている。

 日経平均株価が一時4200円安を記録したのは、エネルギー価格の上昇が企業の利益を削り、消費を冷え込ませることへの市場からの警告だろう。自動車産業も例外ではなく、走行にかかる燃料費だけでなく、石油由来部品の製造コストも一斉に上がっている。この状況で高市政権が表明したガソリン補助金などの財政出動は、燃費向上や軽量化といった技術開発の意欲をそぐ副作用をともなう。

 莫大な税金で一時的に価格を抑える手法は、もはや通用しない。円安による輸入インフレをさらに悪化させる悪循環を生み、現在の政策のままでは、エネルギー価格の変動に振り回され続ける構造から抜け出せない。

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