日本はトランプに踊らされるしかないのか? 「ガソリン200円時代」の警戒信号――クルマは“走る財布”に変わるのか

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原油1バレル110ドル、ガソリン200円超。中東情勢と外交リスクが直撃する日本経済に、石油依存から脱しEVと自立型電力網で強靭なエネルギー基盤を築く決断が迫られている。

電動化と国内エネルギー循環

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

 危機的状況を背景に、経済安全保障の視点から電気自動車(EV)へのシフトが改めて注目されている。外部依存のリスクを減らす防衛策として、

「電動モビリティ化」

が位置づけられている。内燃機関から電動への移行は、国内の太陽光や風力、原子力発電を活用した自立型充電インフラとの統合を意味する。こうした仕組みは、中東情勢や超大国の影響に左右されず、エネルギー調達の基軸を原油から電力へ移すことで国内完結型の循環を作り出す取り組みである。

 ただし急速なEVシフトには懸念も多い。インフラ整備の遅れや消費者負担の増加に加え、原油高にともなう火力発電コストの上昇が電気代を押し上げ、EVの走行コスト優位を揺るがす可能性がある。実際、EUが新車販売禁止方針を掲げたものの、後に撤回したのは、将来の合成燃料活用も見据えた投資の分散といえる。

 さらに化石燃料依存から脱しても、バッテリー製造に必要なリチウムなど資源面で中国への依存は残る。これに対応するには、LFP電池の国内生産やナトリウムイオン電池といった代替技術への投資を急ぎ、供給網のリスクを減らす国家戦略が不可欠だ。

 ガソリン価格が200円を超える局面では、電気代の上昇を考慮してもなお、EVの総保有コストがガソリン車を下回る経済的合理性を確立できるかが試されているのだ。

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