「アメリカの関税には耐えられません」 マツダの南米再攻略は成功するのか?――15%関税が揺らす北米依存、422万台市場で始まる日本車の生存競争とは

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南米主要7か国の新車市場は422万台規模に拡大。ブラジルでの厳格な排出ガス規制を前に、日本メーカーはスバル撤退、マツダ再挑戦と明暗をわけ、収益確保と規制対応の両立が生き残りのカギとなる。

グローバル競争の縮図

HORSEによる1.3Lターボフレックス燃料エンジン生産開始(画像:HORSE)
HORSEによる1.3Lターボフレックス燃料エンジン生産開始(画像:HORSE)

 ブラジルは、世界規模で起きている覇権争いの実態を映し出している。かつての新興国市場は、先進国で型遅れとなったモデルを販売する場所であったが、現在は最も厳しい排出ガス規制への対応と、現地のエネルギー事情に合わせた高度な技術開発が求められる主戦場に変わった。南米での環境変化は、メーカーの資本力と適応力を選別する厳しい試験場となっている。

 スバルの市場退出は、販売規模が小さいメーカーが、独自の技術を維持しながら各国の規制コストを吸収することの限界を浮き彫りにした。一方、マツダの再挑戦は、米国の保護主義的な通商政策がもたらすリスクを、南米という成長市場への供給量を増やすことで分散しようとする経営判断のあらわれだ。これは、特定の巨大市場に依存しすぎる構造から脱却し、世界中のどこでも利益を出せる体制を整えるための重要な一歩となる。

 南米で生き残る条件は、エタノールという地域特有の燃料インフラに最適化した製品を、どれだけ効率よく投入できるかにかかっている。日本メーカーがこれまで積み上げてきた内燃機関の熱効率向上と電動化のノウハウが、現地勢や中国勢との価格競争に耐えうる収益性を維持できるかが問われている。

 ここでの勝敗は、世界各地の異なるニーズに即座に応えられる柔軟な供給体制を確立できるかどうかの判断基準となるだろう。南米はもはや傍流ではなく、次世代の勢力図を決めるための重要な拠点となった。

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