「無人フォークリフト」で倉庫は本当に救えるのか?――1台1000万円超、前向きだった現場担当者が突然沈黙する理由

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物流現場の人手不足は深刻で、輸送従事者の有効求人倍率は2.27倍に達する。無人フォークリフト(AGF)は搬送作業の効率化に期待される一方、高額な導入費用や現場での共存課題が課題となっている。

物流課題解決の可能性

無人フォークリフト導入の現状と課題。
無人フォークリフト導入の現状と課題。

 本稿では、物流責任者視点と現場視点からAGFの現状を紹介した。筆者はA氏との情報交換を通じ、特に中小企業におけるAGFのスモールスタートは容易ではないと感じた。

 現状では、倉庫全体や大部分を自動化する手段のひとつ、あるいは大規模倉庫での部分的な導入でしか、高額な導入費用やランニングコストを回収するのは難しい。物流責任者の慎重な姿勢も理解できる。中途半端な導入は現場で扱いにくくなり、倉庫の片隅で高価なオブジェとして置かれてしまう懸念すらある。

 ただ、国際物流総合展の盛り上がりからもわかるように、人手不足が最大の課題である今後の物流倉庫では、ロボットと自動化が主役になるのは間違いない。さらに、流通業務の総合化および効率化の促進に関する法律(物流総合効率化法)の改正により、一定規模以上の事業者には運転者の荷待ち時間や荷役時間の短縮に対する取り組みが義務づけられる。

 荷待ち時間の短縮を実現するには出荷準備の段取りが重要であり、AGFは有効な選択肢となるだろう。今後は開発が進み、成功事例も増えるはずだ。費用や機能面を含め、AGVやAMRのように現場に合わせて柔軟に運用できるようになれば、物流課題を解決する存在としての役割を果たす日も近い。

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