「無人フォークリフト」で倉庫は本当に救えるのか?――1台1000万円超、前向きだった現場担当者が突然沈黙する理由

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物流現場の人手不足は深刻で、輸送従事者の有効求人倍率は2.27倍に達する。無人フォークリフト(AGF)は搬送作業の効率化に期待される一方、高額な導入費用や現場での共存課題が課題となっている。

無人搬送の実例

トラックへ自動で荷積みするAGF(画像:三菱ロジスネクスト)
トラックへ自動で荷積みするAGF(画像:三菱ロジスネクスト)

 AGFは物流倉庫でどのような役割を担い、どの課題を解決するのか。簡単にいえば、パレットやラックの搬送作業を担う。さらに詳しく見ていく。

●使用例1:大型倉庫内の長距離搬送
 長辺300mを超える大型倉庫では、A地点からB地点まで数百mにわたるパレットの搬送作業が発生する。具体的には、保管エリアの貨物をトラックバースのある出荷エリアへ運ぶ場合だ。例えば、大型車に積むパレットが16枚あるとする。1枚ずつ搬送する場合、16回の往復が必要となる。1往復に3分かかるとすると、3分×16回=48分となる。

 この単純作業を1日数回、数十回繰り返すと、膨大な時間がかかる。しかも作業内容は、保管エリアでパレットをピックし出荷場所に運ぶだけである。この作業をAGFに任せ、人間はトラックへの積み込みなど複雑な作業に集中する。ロボットと人がそれぞれの特性を活かして協力する例だ。

●使用例2:出荷貨物の荷揃え
 出荷指示のかかった貨物を上階からエレベーターで1階へ搬送し、AGFが受け取り仮置き場に荷揃えする。出荷エリアには有人フォークリフトが控え、トラックに積み込む。上階の搬出作業もAGFが担当すれば、大幅な省人効果が見込める。

●使用例3:深夜時間帯の荷繰り作業
 ロボットの特長である休憩不要を活かした使用例だ。作業員が退勤した深夜にAGFを稼働させ、翌日出荷指示のかかった荷物を用意しておく。翌朝、作業員が出勤すると、貨物はすぐにトラックへ積める状態になっている。

 最近では、これまで難しいとされてきたトラックへの積み込み作業も実用化が進んでいる。物流大手の鴻池運輸と三菱ロジスネクストは共同で行った実証実験を終え、2024年3月から実運用を開始した。大型トラックへの積み込みを、2台の無人フォークリフトで15分以内に完了させる仕組みだ。このような複雑な作業へのAGF導入は、今後さらに広がるとみられる。

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