「何を言ってもハラスメントになりそう」 若手指導に疲れ果てた上司たちの葛藤、7割が指導を手加減する現実とは

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残業ゼロ、叱責ゼロ、ノルマゼロ――理想的な職場に、思わぬ副作用が生じている。全国600人調査では、負荷が低い若手の54.8%が転職を検討し、管理職の68.3%は指導を控える現実が浮き彫りになった。

平穏の先にあるもの

男女600人を対象に行われた「ホワイトハラスメント」に関するアンケート調査の結果(画像:エレメント)
男女600人を対象に行われた「ホワイトハラスメント」に関するアンケート調査の結果(画像:エレメント)

 残業がなく、叱責もなく、波風も立たない職場。それは社会が長い時間をかけて築いてきたひとつの形といえる。しかし、現実には仕事の負荷が低い層の54.8%が転職を考えており、68.3%の管理職が本来必要だと考える指導を控えているという事実がある。相手を傷つけないための配慮が、本人が望む成長を妨げる結果になっていないか、見直す必要がある。

 若手の27%が求めているのは、対面での納得感がある具体的なアドバイスだ。前述のとおり、一方で17.5%が「抽象的・放置されている」と感じ、12.7%が「過剰な配慮で成長を奪われている」と答えている。ここからわかるのは、教える側が厳しく接する量ではなく、

「話す内容が具体的で納得できるものかどうか」

が重視されているという点だ。上司と部下の間にある不満を解消するためには、個人の努力に頼るだけでなく、教える側を守る仕組みを整えることも重要だ。もし、指導による法的なトラブルを保証する仕組みがあれば、上司は迷うことなく部下と向き合うことができる。自分たちがいる場所はどのような状況にあるのか。

 今の不安やためらいは、どのリスクを避けようとした結果なのか。物事を良い悪いだけで判断するのではなく、仕組み全体の問題として捉え、改善に取り組む姿勢が求められている。

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