「バスが遅すぎる」 NY市長が街路計画を再始動――速度「20%改善」で都市の“時間”は取り戻せるか?

キーワード :
, ,
ニューヨーク市長マムダニ氏が中断されていた街路計画を再始動。平均時速12.9kmのバスを最大20%高速化し、年間40時間相当の移動時間を市民に還元。公共空間の再配分で都市経済と生活の効率を根本から変える挑戦が始まった。

自転車網の連結

NY市内の自転車専用レーン(画像:ニューヨーク市)
NY市内の自転車専用レーン(画像:ニューヨーク市)

 マムダニ市長が進める計画の二本目の柱は、ブルックリン各地で進める保護型自転車レーンの連結だ。この計画の狙いは、自転車の利用を促すことだけではない。市の調査では、利用者が増えない最大の理由は、道が危険だと感じることだと繰り返し指摘されている。

 実際に、セントラル・ブルックリンにあるブルックリンとキングストンの両アベニュー周辺には10もの学校があるが、2021年から2025年までの5年間で65人が負傷し、そのうち深刻な怪我をした人の60%が歩行者や自転車利用者だった。

 今回の整備では、負傷事故が相次いでいたアシュランド・プレイスの通行ルールを変え、二車線の保護型レーンを作る。これによりサンセットパークからダンボまでの道がつながり、さらにグリーンポイントやクイーンズまで続く安全なルートができあがる。

 ほかにもミッドウッドやフラットブッシュなどで16のルートを整備する計画が進んでおり、駐車場を壁代わりにして守られたレーンも作られる。こうした保護型の道が広がることで、すべての道利用者の死亡や重傷事故が18%減少するというデータがある。

 人々が移動手段を選ぶとき、費用の安さだけでなく、怖さを避けたいという心理が強く働く。東リバーの橋を渡る自転車利用者は1日2万8000人に達し、前の年から8.4%も増えている。道が安全に見えるようになれば、これまで自転車を避けていた人々も利用し始める。

 細切れだった道を安全なルートとしてつなぎ合わせることは、市民の不安を取り除き、車に頼りすぎない街へと変えるための具体的な投資なのだ。

全てのコメントを見る