「東横イン」「ルートイン」と何が違うのか? 「アパホテル」が利益率35%を実現できる根本理由――業界地図を塗り替えた拡大戦略の実像とは

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創業者の死去で節目を迎えたアパグループ。売上高2259億円、利益率35.2%、53年連続黒字という高収益体質の裏側には、1015ホテルの数え方や予約機能の内製化、都市集中型の出店戦略など独自の経営手法がある。国内3強の一角、その実像を検証する。

飲食部門の外部活用による地域連携

2026年2月に開業したアパホテル福島駅東(画像:アパグループ)
2026年2月に開業したアパホテル福島駅東(画像:アパグループ)

 立地戦略に加え、東横インやルートインとアパグループでは運営方式にも違いがある。

 東横インとルートインは、建物を地主が建設する場合と自社で建設する場合の差はあるものの、運営はほぼ直営で行っている。フランチャイズ展開は基本的に見られない。

 これに対しアパグループは、東京や大阪など大都市圏では自社物件による直営が中心である一方、地方ではフランチャイズ方式の比重が高い。

 館内の飲食についても違いがある。東横インは直営で朝食のみを提供し、ルートインも直営で朝食と夕食を提供する形を徹底している。そのため、どの地域のホテルでも食事内容に大きな差はない。

 一方、アパグループは「アパ社長カレー」など自社ブランド商品を展開しているものの、大都市圏の大型ホテルを除けば飲食施設を直営で運営するケースは多くない。館内の飲食店はテナント形式が中心で、焼き鳥店やインド料理店など店舗ごとに内容は異なる。同じアパホテルでも、提供される食事は施設ごとに違いがある。

 これは宿泊部門に経営資源を集中させ、飲食部門は外部の事業者に委ねるという判断と見ることもできる。同時に、館内スペースを地元の飲食店に開放することで、地域との接点を持つ形にもなっている。

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