「東横イン」「ルートイン」と何が違うのか? 「アパホテル」が利益率35%を実現できる根本理由――業界地図を塗り替えた拡大戦略の実像とは
創業者の死去で節目を迎えたアパグループ。売上高2259億円、利益率35.2%、53年連続黒字という高収益体質の裏側には、1015ホテルの数え方や予約機能の内製化、都市集中型の出店戦略など独自の経営手法がある。国内3強の一角、その実像を検証する。
ホテル業と旅行業の融合モデル

ただし、1015ホテル・13万9741室という数字には注記が必要だ。公式サイトによれば、この数値には建築中や海外、フランチャイズに加え、「アパ直参画ホテル」も含まれている。建築中や海外、フランチャイズを合算する手法は他社でも見られるが、アパ直参画ホテルの扱いは性格が異なる。
アパ直参画ホテルとは、アパグループが運営する宿泊予約ポータルサイトやアプリに参加しているホテルを指す。直営やフランチャイズとは別の枠組みである。
そのため、1015ホテルという数字をそのままチェーン全体の拠点数とみなすには慎重さが求められる。
一方で見れば、アパグループはホテルチェーンでありながら、従来はJTBや日本旅行、じゃらん、楽天トラベルといった旅行会社やOTA(インターネット上で宿泊や航空券などの予約を仲介する旅行予約サイト)が担ってきた宿泊予約機能も自社で展開していることになる。ホテル運営と予約プラットフォームの両面を持つ業態といえる。
ブライダル産業新聞社「国際ホテル旅館」による全国ホテル・旅館チェーン客室数ランキング(2026年1月1日時点、日本国内のみ)では、1位が東横インの343ホテル・7万3197室、2位がアパグループの303ホテル・7万2279室、3位がルートインの362ホテル・6万4167室となっている。アパ直参画ホテルを除いても、アパグループが国内有数の規模を持つことに変わりはない。