年収400万で「400万の新車」を買うのはアリ?ナシ? ──中間層の3割が迷う“予算目安”の現実とは

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新車購入の判断は、もはや「欲しいかどうか」だけでは済まない。年収300~500万円層の28.7%が予算目安を求め、15.9%が支払い継続に不安を抱く現状は、購入価格と家計のバランスを自力で測る必要性を示している。資産感覚や出口戦略を持つ高所得層との差は明確で、情報の非対称性が個人の負担と市場の構造的課題を際立たせる。

理想と現実の距離

「新車購入とお金の実態調査2026」(画像:クルカ)
「新車購入とお金の実態調査2026」(画像:クルカ)

 理想の市場を描くなら、消費者は購入価格だけで判断せず、手放すときの価値まで含めて長期的な合理性に基づいて意思決定できる環境が必要だ。ただ現実は、その水準に遠く及ばない。

 まず、年収に対する総支払額や、可処分所得に占める年間の維持費が明確で、自分の家計にどのような影響があるかを瞬時に把握できる状況が求められる。年収300万円以上500万円未満の層の28.7%が予算目安を知りたいと答えた事実は、現状の情報が販売優先で断片的にしか提供されていないことを示している。

 加えて、車両本体価格だけでなく、維持費や保険、法定費用に加え、

「金利も含めた数年間の総支出が標準的に示される市場」

が必要だ。年収1000万円以上の層が下取り価格を31.3%も重視し、資産効率を高められるのは、車を資産の一部として扱う知識と余裕を持つからである。

 これに対し、中間層は判断の基準がなく、将来の維持費や中古車相場の不透明なリスクを自分で背負わざるを得ない。その結果、手元の貯蓄を維持するための守りの選択に終始する。

 さらに、車の価値を客観的に数値化し、消費財として価値が減るのか、それとも資産として保全できるのかを判断できる共通の枠組みも欠かせない。現在の市場では、高所得層が資産として車を転がし富を維持する一方で、中間層以下は出口戦略を描けず、手元資金を削られる構造が常態化している。

 情報の質の差をなくし、移動の自由と個人の経済負担が適正に釣り合う状態こそ、産業が示すべき本来の基準だろう。

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