「頭金200万円」を払える富裕層、フルローンで消耗する中間層――新車購入にみる“残酷な階層社会”の正体

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新車購入は好みの問題――そう思われがちだが、実態は違う。2026年調査(1076人)では、頭金200万円以上を用意できた割合に年収層で23.4ポイントの差が出た。数字が映すのは、支払い方法を通じて固定化される家計の立ち位置である。

頭金の役割

 年収1000万円以上の層では、150万円以上の頭金を支払う人が46.0%にのぼり、そのなかでも200万円以上を用意する割合が最も高かった。これは偶然の分布ではない。彼らにとって頭金は、購入時の負担を軽く見せるためのものではなく、将来にわたる金利の支払いを抑えるための判断に近い。

 実際、支払い方法を選ぶ際の理由として最も多かったのは「金利負担を避けたい」で、36.3%を占めている。月々の支払額の大小よりも、最終的にいくら支払うのか、手元資金をどの程度拘束されるのかが重視される。頭金は、将来の選択肢を狭めないために先に出す資金として扱われている。

 対して年収300万円から500万円未満の層では、頭金50万円以上100万円未満が33.0%で最多となり、200万円以上を支払う人は4.6%にとどまる。この層における頭金は、余裕資金の使い道というより、毎月の支払いを現実的な水準に収めるための調整手段としての性格が強い。

 頭金を入れなければ返済が成り立たないために用意するケースも少なくなく、結果として借入残高がなかなか減らない期間を長く抱えることになる。同じ「頭金」という言葉で語られていても、年収帯によって、その役割や背負う意味は大きく異なっているのだ。

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