「頭金200万円」を払える富裕層、フルローンで消耗する中間層――新車購入にみる“残酷な階層社会”の正体

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新車購入は好みの問題――そう思われがちだが、実態は違う。2026年調査(1076人)では、頭金200万円以上を用意できた割合に年収層で23.4ポイントの差が出た。数字が映すのは、支払い方法を通じて固定化される家計の立ち位置である。

新車市場と階層の固定

 この調査が示しているのは、収入の差がある――という表面的な話ではない。数字を追っていくと、もう少し根の深い流れが見えてくる。高い売却価格を見込み、低い金利で資金を回しながら車を乗り継いでいく人たちは、買い替えるたびに次の頭金となる資金を積み上げている。移動のたびに出費が増えるどころか、むしろ手元に残るお金が増えていく。時間の経過が、そのまま余力につながっていく感覚だろう。

 一方で、フルローンに近い形で購入し、高めの金利を払い続ける層では事情が異なる。返済の多くが利息に回り、資産は思うように増えない。ようやく次の買い替えを考える時期が来ても、自己資金が足りず、また厳しい条件で借り入れることになる。負担が負担を呼ぶ循環から抜け出しにくい。結果として、選べる車種も条件も限られていく。

 こうして生まれるのは、移動にかかる費用を通じた資産の積み上がり方の差である。新車市場は、表から見ると誰でも参加できる場に映る。ディーラーの扉は誰にでも開かれている。しかし実際には、現在の経済的な立ち位置がそのまま将来にも引き継がれやすい。たとえ同じ一台を所有していても、そこに至るまでの負担や、その後の家計への影響はまったく違うものになるのだ。

 車を持つという行為が、生活を広げる機会になる人もいれば、家計を縛る重荷になる人もいる。新車市場は、

「いまの位置をそのまま延長させる力」

を持っている。そんな現実が、数字の奥からにじみ出ている。

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