「AI人材は年収1000万でも来ない」 自動車・輸送機業界、“育休取得率ワースト1位”が突きつける獲得の壁
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自動車・輸送機業界は、男性育休取得率67.2%、女性管理職比率3.7%と低水準にとどまり、組織の柔軟性や多様性が試されている。電動化やAI人材需要の急増に対応するには、従来の慣行を見直し、人的資本の活用を抜本的に再考する必要がある。
男性育休67.2%が示す現場の制約

自動車・輸送機業界の男性育休取得率は67.2%にとどまり、主要17業界のなかで最も低い水準にある。銀行業界の97.4%、電力・ガス業界の91.6%と比べると、その差は明確である。
生産現場で求められる高度な同期化や人員配置の制約が背景にあるが、制度が整っていても活用が進まない理由には、長年の慣行や暗黙の職場文化が根強く存在する。
極限まで効率を追求する生産管理の考え方は、突発的な欠員を許容しにくい組織をつくり出し、属人的な技能への依存が業務の標準化を阻む要素にもなっている。育休の促進は中長期的な人材確保に役立つ一方で、短期的には製造現場の負荷を増すため、経営層は投資効率との兼ね合いで慎重な判断を迫られる。
この停滞は国内の現場にとどまらず、海外拠点での人材確保や供給網全体の労働環境の硬直化というリスクを露呈しているだろう。