「3000台を16時間封鎖した代償」 山陽道を麻痺させた「ノーマルタイヤ車」、その不作為が奪った巨額の公的利益とは

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2026年の年始、中国地方の高速道路で3000台が16時間孤立。ノーマルタイヤで豪雪に挑んだ個人の判断が物流を止め、国家の生産性にも影響。気候変動下での道路利用の責任と装備の重要性が鮮明になった。

雪道リスクを高める急激な気候変化

気象庁気象研究所のウェブサイト(画像:気象庁気象研究所)
気象庁気象研究所のウェブサイト(画像:気象庁気象研究所)

 近年、ノーマルタイヤによる立ち往生が目立つ背景には、気象の極端化がある。地球温暖化の影響で冬の平均気温はこの100年で約1度上昇し、氷点下の日数は減少している。その一方で、これまで考えられなかったような突発的な大雪が増えている現実がある。

 気象庁気象研究所が2025年まとめた研究によると、東北地方では温暖化の影響で大雪の積算降雪量が6%増加し、北海道でもピーク時の積雪量が10%増加した可能性が指摘されている。シーズン全体としては雪が減っても、一度降れば破壊的な規模になる確率が高まっているのだ。筆者(青弓茂、自動車ライター)が2026年1月2日に中国地方で経験した状況も、前日の穏やかさからは想像できない急激な積雪だった。

 予測困難な天候こそが現代の常態であり、それに備えないことは変化への適応の失敗を意味する。不測の事態でも他者に損害を与えない準備を持つことは、現代のドライバーに課せられた重い責任である。環境の変化をいい訳にせず、咄嗟の事態に対応できる雪対策を常備しておくことが、現代の道路利用における最低限の条件である。

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