名前は「極楽」でも実態は“廃墟級” 香川県の老朽インフラ、90年以上の歳月で「鉄筋むき出し」――地方が直面する辛らつ現実を考える

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老朽化する全国の橋・トンネルの更新期が迫るなか、小規模市町村は人手不足と財政難で対応困難。2040年には橋の75%、トンネルの53%が50年以上経過し、国は役割分担見直しで地方インフラ維持に乗り出す。

土木部門の技術系職員は全国で13.2%減

近隣3町村合同で技術系職員確保を始めた太子町役場(画像:高田泰)
近隣3町村合同で技術系職員確保を始めた太子町役場(画像:高田泰)

 総務省によると、全国の都道府県・市町村職員はピーク時の1996(平成8)年に比べ、2023年度で14.4%減った。なかでも減少が目立つのが土木部門で、事務系と技術系の合計で28.3%の大幅減。うち、公共工事の技術水準を担保する技術系職員は13.2%減っている。人手不足は深刻さを増す一方だ。

 職員数が少ない小規模市町村は既に交通インフラの点検に手が回らない。特に奈良県は平成の大合併が思うように進まず、南部の山間部を中心に小規模町村が多く残った。奈良県は複数市町村の点検を県で一括発注する体制を2010年度から取っている。奈良県道路マネジメント課は

「このままでは町村の業務に支障が出ると考えた」

と狙いを語る。このほか、静岡県と下田市は2023年度から県と契約した業者による市道の包括管理を始めている。

 技術系職員の不足は多くの市町村で悩みの種だ。総務、国交の両省によると、全市町村のほぼ半数が5人以下しかおらず、約3割がゼロ。不在だと公共工事の施工管理がおぼつかない。

 福島県三島町は2017年、只見川上を町道が走る三島大橋(全長131m)改修を国交省東北地方整備局に委ねて完成させた。三島町は何度も改修を計画したが、土木部門は係長以下、3人全員が事務系。三島町産業建設課は

「役場に専門知識が乏しく、手を出せなかった」

と振り返る。

 技術系職員確保に知恵を絞る市町村は増えている。京都府京丹後市は2023年度から始めた大学生向け奨学金制度に技術系職員を盛り込んだ。奨学金を受けた学生が10年間勤めれば、返済を免除する仕組みだ。大阪府太子町、河南町、千早赤阪村は2024年度入庁者から合同で職員採用し、第1志望に不合格でも他の地方自治体に合格できることをPRしている。

 自治体事業を支援する国の予算も足りない。高市内閣はインフラ保全や防災に2.9兆円余を充てる2025年度補正予算を組んだほか、国交省は2026年度当初予算案に5.4兆円を計上した。だが、国交省が2018年度に試算した30年間の必要予算は200兆円近い。すべての交通インフラを維持するにはとても足りない。

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