外資に狙われる物流インフラ――「日本は規制が厳しい」は大誤解? 穴だらけ制度と経済安全保障の危機とは

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日本の物流規制は緩和が進む一方、実態は曖昧な部分も多い。倉庫面積の一部規制や「水屋」の許認可、都市計画・外資規制の課題まで、M&A急増を背景に規制見直しの必要性が高まっている。

トラック仲介業規制の曖昧さ

物流トラックのイメージ(画像:写真AC)
物流トラックのイメージ(画像:写真AC)

 トラック業界には「水屋」と呼ばれる業態がある。水屋とは、荷主から仕事を受け、実際の運送を下請けに任せる仲介業のような形態である。

 仲介の方法は大きくふたつある。ひとつは、水屋自身が荷主から運送委託契約を受け、運送実務を外部に委託するケースである。この場合、水屋は法律上「利用運送業」とされ、国の許認可が必要になる。

 もうひとつは、水屋が運送契約の当事者にならず、情報の仲介に徹するケースである。例えば、個人が引っ越し業者をネットの見積サイトで探す場合、サイトはマッチングシステムを提供しているだけで、運送契約の当事者にはならない。この場合、運送業としての許認可は不要である。

 しかし、契約当事者でなくても、運送契約に影響を与えることはある。仲介業者がシステムを通じて業者を推薦したり、手数料を徴収して運賃に影響を与えたりする場合もある。このため、多くの点で利用運送業と共通し、境界は曖昧である。

 諸外国では区分が明確である。米国では

・利用運送業を「フォワーダ」
・仲介業を「ブローカー」

として連邦レベルの許認可を求める(州を跨ぐ輸送など条件あり)。欧州では国により異なるが、ブローカーに許認可を要求する国も存在する。

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