2026年は「中古EV元年」となるか? 8兆円「国内循環×希少資源」で切り開く新市場! EVバッテリー調査が明かす爆発理由とは
国内中古EV市場が変革期を迎える。年間輸出約2万台で国内循環が進まない中、バッテリー診断書の普及や制度整備が進めば、希少資源循環とEV普及率2%の底上げを同時に実現できる可能性が高まる。
バッテリーデータが変える中古EV市場

消費者目線で製品やサービス、トレンドを読み解く『日経トレンディ』2025年12月号が、2026年のヒット予測100品目を出した。編集部が掲げたのは、多少カネがかかっても面倒や負担を減らしたい「苦労キャンセル界隈」というキーワードだ。生成AIや翻訳アプリが当たり前になるにつれ、時間効率を何より重視するタイパ志向は、来年さらに勢いを増すだろう。
同時に見えてきたのが、若い世代を中心とした「実利」より「気分」や納得感を優先する買い方だ。効率と感情、このふたつをどう両立させるかが、これからのトレンドを左右する。
そんな予測のなかで目を引いたのが、ベスト30で
「中古電気自動車(EV)」
が2位に食い込んだことだ。アプリや食品のようにすぐ消費されるものが並ぶなか、何年も使う耐久消費財である中古EVが上位に来た意味は軽くない。これは一時的な話題性ではなく、自動車市場そのものの前提が動き始めている証拠といえる。
その背景にあるのが、バッテリー診断書による安心の見える化だ。EV購入時に最も気がかりだったバッテリー劣化の不透明さが、データで説明できる段階に入りつつある。中古EVに対する心理的なハードルが、構造的に下がってきているということだ。
政府もこの流れを支えている。車載バッテリーの使用年数や充電回数といった利用データを共有・流通させる基盤づくりに動き出した。経済産業省は、こうしたデータ流通に取り組む企業に補助金を出し、新規参入や事業拡張を後押しする。中古EVの状態を客観的につかめる環境が、少しずつ整いつつある。
中古EVの浮上は、EV市場の一部が盛り上がったという話では終わらない。新車中心だった価値の考え方が、中古市場やデータ流通を含む全体の仕組みへと広がる転換点と見るべきだろう。