2026年は「中古EV元年」となるか? 8兆円「国内循環×希少資源」で切り開く新市場! EVバッテリー調査が明かす爆発理由とは

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国内中古EV市場が変革期を迎える。年間輸出約2万台で国内循環が進まない中、バッテリー診断書の普及や制度整備が進めば、希少資源循環とEV普及率2%の底上げを同時に実現できる可能性が高まる。

資源循環市場に眠る巨大な成長余地

国内で発生した中古EV台数と輸出台数の累積値の推移(画像:日本総合研究所)
国内で発生した中古EV台数と輸出台数の累積値の推移(画像:日本総合研究所)

 これまで中古EVに特化した公的な性能評価や保証の仕組みは、ほとんど整っていなかった。政府による補助金や税制優遇も新車EVが中心で、中古EVは制度の枠外に置かれてきた。

 その結果、EVの二次流通は国内で定着せず、多くの中古EVが海外で再利用される構図が続いている。中古EVに含まれる希少金属やバッテリー資源が国外へ流れ出し、国内の資源循環は弱まっている。

 日本総合研究所が発表した「EV電池サーキュラーエコノミー白書」によれば、EV用バッテリーを巡るサーキュラーエコノミー市場は、今のところ数百億円規模にとどまる。しかし2030年には約6000億円、2050年には

「約8兆円」

に達する可能性がある。伸びしろは大きい。

 一方で、中古EVの輸出台数は増えている。年間でおよそ2万台が海外に出ている。日本総研の試算では、2024年までに国内で発生した中古EVは約11万台に上り、その

「約8割」

が輸出された。国内での中古EV循環は進まず、希少資源の循環も成り立っていない。

 この状況が続けば、希少資源を国内で活かす機会は失われる。中長期的には、EV関連産業の競争力低下にもつながりかねない。中古EVの海外流出は、流通の問題だけでは済まない。国内のEV供給や資源戦略、ひいては産業基盤そのものを揺るがす課題である。

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