クルマ「大型化」「高性能化」で足元に大変化? 20年前の「Sクラス超え」が示す不可逆トレンド、タイヤ三強が描く生存戦略とは

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車両重量が7年で約25%増加するなか、SUV化やEV化でタイヤへの負荷も急増。ミシュラン、ブリヂストン、コンチネンタルはプレミアム化に投資を集中し、タイヤが車両性能を左右する重要部品として再定義されつつある。

企業ごとの構造的リスク

タイヤ(画像:Pexels)
タイヤ(画像:Pexels)

 グローバルの乗用車タイヤ市場では、ミドルからハイエンドでのプレミアム化がさらに進む一方、大衆車向けではアジアンタイヤの存在感が増し、価格競争が激化する見通しだ。

 市場の二極化が進むなか、グローバル大手各社は広い価格帯を追うよりも、高付加価値領域への選択と集中を迫られている。3社の戦略は異なるものの、プレミアム化の流れは技術面でも経営面でも避けられない必然である。

 一方、各社はタイヤ事業で異なる構造的リスクを抱える。ミシュランは事業領域が広く、サステナブル素材など長期投資の比率が高いため、短期的な収益変動が大きくなりやすい。コンチネンタルは自動車電子部品を併せ持つ複合企業であり、OEM依存度の高さが業績の変動を拡大しやすい構造だ。

 ブリヂストンはプレミアム領域の強化を打ち出すが、この領域は技術集約度が高く、R&D投資の回収がハイリスクとなる。特にEVなどの先端プレミアム分野では、北米での強みを持つ同社も、欧州勢やグッドイヤーの早期参入によりやや出遅れが見える。

 EV化や大型化によるタイヤの高付加価値化は、各社の収益を押し上げる一方で、性能高度化にともなう開発負荷と投資リスクも増大させている。高付加価値市場が拡大する今こそ、戦略の選択と集中の巧拙が企業競争力を左右する段階に入ったといえるだろう。

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