「ネコ駅長」人気でも赤字850万円! 和歌山電鉄が上下分離再スタート、自治体負担増で「本当に地方線維持は可能なのか」

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ネコ駅長で訪日客を集める和歌山電鉄貴志川線は、14.3kmで年850万円の赤字を抱える。全国で8割超が赤字の地方鉄道は、2028年を目標に上下分離方式へ活路を探る。観光と公共インフラの両立が、いま問われている。

ネコの駅長人気の陰で経営は火の車

和歌山電鉄の本社がある和歌山市の伊太祈曽駅(画像:高田泰)
和歌山電鉄の本社がある和歌山市の伊太祈曽駅(画像:高田泰)

 貴志川線は和歌山駅と貴志駅(紀の川市)を結ぶ14.3km。両備グループの和歌山電鉄が運行しているが、経営は2006(平成18)年に南海電鉄から路線を引き継いで以来、赤字の連続。2025年3月期決算では

「約850万円」

の当期純損失を出し、約1億6000万円の繰越損失金が残る。ここでいう繰越損失金とは、過去の赤字分を翌年度以降に持ち越した累積の損失額のことを指す。つまり、過去の赤字が積み重なった状態で、黒字化してもすぐに利益として計上できるわけではなく、まずこの累積赤字を埋める必要がある。和歌山電鉄は

「最小限の人員でぎりぎりの経営」

と説明した。

 和歌山電鉄と和歌山県、沿線の和歌山市、紀の川市は貴志川線の上下分離方式移行を目指す方針に合意した。今後、国の認可、鉄道施設の受け皿になる組織を設立するとともに、地方自治体間の負担割合を決め、2028年度を目標に新体制をスタートさせる。

 2016年度から続けてきたみなし上下分離方式に比べ、自治体の負担が重くなるが、貴志川線は黒字転換が見込まれる。和歌山県総合交通政策課は

「輸送密度(1km当たりの1日平均輸送人員)は2023年度で2000人を超す。廃止できない以上、負担増はやむを得ない」

と述べた。

 国土交通省によると、2008年度から2023年度で全国の鉄道約630kmが廃止された。そのほとんどが地方路線で、地方鉄道事業者の83%が2023年度、赤字経営に追い込まれている。地方鉄道の経営を圧迫しているのは施設保有の経費。この経費を除けば多くの事業者が黒字転換する見込み。そこで注目を集めているのが上下分離方式の導入だ。

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