「担当者で値段が違う」はもう嫌だ――中古車査定、もはや“AI任せ”が正解か? アウディQ7が53%爆騰する相場、属人的評価の限界
中古車相場が高水準で推移するなか、査定額のわずかな差が利益を左右する。前月比53.9%上昇の車種も現れる環境で、価格のブレを抑え、人材不足に対応する手段としてAI査定が注目される理由を追う。
利益を左右する査定の現実

中古車販売業界において、査定は収益を左右する中核業務である。中古車の販売価格は車種や年式、走行距離だけで決まるものではない。市場環境や需給の変化によっても大きく左右される。中古車査定サイト「車選びドットコム買取」によると、2025年12月1日時点で査定相場の上昇率が最も高かったのはアウディQ7で、前月比53.9%の上昇となった。一方、スバル インプレッサXVハイブリッドは下落率が最も大きく、34.8%の値下がりを記録している。
中古車買取相場は2025年11月時点でも高水準にある。過去5年間で最高値を付けた2024年と比べても、相場はおよそ1割高い。わずかな査定額の違いが利益に直結する状況が続いており、価格判断の精度とスピードは事業成績を左右する重要な要素となっている。
さらに査定は、価格を決める工程であると同時に、
「取引の前提条件を形づくる役割」
も担っている。売り手と買い手の間で持つ情報量には差が生じやすく、その差が査定結果への納得感に影響することも少なくない。市場が高水準で推移する局面ほど、査定結果の妥当性や説明力が問われやすくなる。
この査定業務を担うのが中古車査定士だ。査定士になるには、日本自動車査定協会が認定する民間資格の取得が求められる。車両の状態を正確に見極め、適正な価格を導き出す専門性が必要とされる。自動車業界全体で人手不足が深刻化するなか、査定士の需要は年々高まっている。
こうした環境を背景に、近年はAIを活用した「自動査定」への関心が高まっている。人材制約と高水準の相場が同時に進むなかで、査定業務の効率と安定性をどう確保するかは、事業運営上の大きな課題となっている。AI査定は、その解決策のひとつとして注目を集めている。