「担当者で値段が違う」はもう嫌だ――中古車査定、もはや“AI任せ”が正解か? アウディQ7が53%爆騰する相場、属人的評価の限界

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中古車相場が高水準で推移するなか、査定額のわずかな差が利益を左右する。前月比53.9%上昇の車種も現れる環境で、価格のブレを抑え、人材不足に対応する手段としてAI査定が注目される理由を追う。

人とAIを組み合わせたハイブリッド接客

滋賀ダイハツ販売に導入された「AIさくらさん」(画像:ティファナ・ドットコム)
滋賀ダイハツ販売に導入された「AIさくらさん」(画像:ティファナ・ドットコム)

 AIの活用は査定業務に限られない。滋賀ダイハツ販売(栗東市)は、草津店に併設する中古車専売店にAI接客システム「AIさくらさん」を導入している。同システムはティファナ・ドットコム(東京都目黒区)が提供するもので、車両の仕様や価格に関する質問に加え、購入時に必要な書類や補償内容の説明まで幅広く対応する。

 この取り組みの特徴は、AIによる自動応答だけで接客を完結させていない点にある。店舗スタッフと連携し、状況に応じて有人対応へ切り替える仕組みを採用している。AIのアバターを介した対応と、人による説明や判断を組み合わせることで、来店客の多様な要望に対応できる体制を整えた。

 中古車販売の現場では、問い合わせ対応から商談まで、業務の幅が広い。すべてを人が担う場合、応対の質を保つことが難しくなる場面も出てくる。AIが一定の対応を引き受けることで、スタッフはより

「判断力や説明力が求められる業務」

に注力できるようになる。

 同社が導入に踏み切った背景には、営業職の人材不足がある。来店客への対応機会を取りこぼさず、安定したサービスを維持するためには、新たな手段が必要だった。スタッフがAIの応対を補完する過程で、システム側もやり取りを学習していく。現場の運用と連動しながら、接客体制を更新していく試みが続いている。

 こうした運用は、店舗の対応力を補強するだけでなく、接客プロセスそのものを見直すきっかけにもなっている。人とAIが役割を分担することで、限られた人員でも一定のサービス水準を保てる体制が形になりつつある。

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