トランプの制裁で消えた200機! 翻弄された「イラン航空」空白の10年とは
イラン航空業界は、1979年革命以降、制裁と老朽化に苦しみ、平均機齢27年の航空機で運航を続けてきた。2016年には西側航空機200機を一挙発注したが、制裁再開やコロナ禍、欧州制裁により再び存亡の危機に直面している。
巨大発注の消失

事態は2017年、トランプ大統領の就任とともに暗転した。2018年、米国はイラン核合意から一方的に離脱を表明した。経済制裁は再開され、ボーイングやエアバス、ATRとの契約も破棄された。
結局、受領できた航空機は2017年に納入されたATR72-600が13機、A321が1機、A330が2機の計16機のみである。3社合計200機という巨大発注は、米大統領の決定により一瞬で消え去った。
さらに2020年代にはコロナ禍が直撃し、航空需要はほぼ消滅した。2022年にはロシアによるウクライナ侵攻が発生し、イランは同盟国ロシアに対してミサイルなどを提供して支援することになった。その結果、イランと欧州の関係も米国同様、険悪なものとなった。
2024年10月、イラン航空、サハ航空、マハンエアーの3社はEUから制裁対象に指定され、EU内への乗り入れが禁止された。制裁解除による航空機大量発注に沸いたイラン航空業界は、わずか10年足らずで元通りの問題を抱える事態に陥ったのである。