まるで「飛行機の墓場」? 米国の砂漠に数百機が放置される根本理由

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地平線まで飛行機が並ぶ砂漠保管施設は、世界の航空資産を支える重要拠点だ。1機数十億円の設備投資を守りつつ、再稼働可能な資産として維持。コロナ禍の需要激減でも数百機が砂漠で温存され、航空業界の資本効率とサプライチェーンの安定化に貢献している。

飛行機の砂漠保管拠点

カリフォルニア州のモハーヴェ空港(画像:Alan Radecki)
カリフォルニア州のモハーヴェ空港(画像:Alan Radecki)

 地平線まで広がる砂漠に、数え切れない飛行機が並んでいる光景を見たことがあるだろうか。空港や空でよく目にする飛行機が、砂漠に整然と並ぶ様子は非常に異様だ。なぜこれほど過酷な環境に、大量に放置されているのか。

 米国ではアリゾナ州のピナル・エアパークやカリフォルニア州のモハーヴェ空港、南カリフォルニア物流空港が「飛行機の墓場」として知られている。ほかにもオーストラリアのアリス・スプリングス空港やスペインのテルエル空港が有名だ。「飛行機の墓場」という表現はやや正確性に欠ける。むしろ

「飛行機の保管・再生基地」

と呼ぶ方が適切だ。ここでは廃棄処理だけでなく、一時的に休眠させ再稼働させたり、改修して再生することも多い。古い機体からはエンジンや航空電子機器、着陸装置など価値の高い部品を取り出して再利用する。

 航空業界は炭素排出量が多いとされるが、砂漠のこれら施設は飛行機の環境負荷軽減に一役買っている。

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