徳島県の路線バスがついに「交通系ICカード」導入――熊本撤退と逆行、地方交通改革は進むのか?

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徳島県の路線バスに2026年3月、ICOCAを含む全国10種類の交通系ICカードが導入される。通学用定期券の51%が金額式を選ぶなど利便性向上が鮮明で、地方交通の再編や利用率改善に直結する可能性が高まった。

認可型独禁法特例の影響

 地方都市では、同じ場所に複数のバス会社が乗り入れると、互いに利益を食い合う可能性がある。観光地であれば競争によってサービス向上が期待できるが、少子高齢化が進む都市では双方が損失を被るだけになる。

 しかし、複数の会社が協議して路線や時刻表を調整する場合、従来は独占禁止法に抵触する恐れがあった。そこで2020年、バス事業と地方銀行に限った認可型独禁法特例が施行された。路線バスでは、国土交通大臣の認可により、複数社による効率的な路線運営が可能になった。

 ここに金額式定期券の普及という変化が加われば、従来の区間式定期券を前提とした路線・停留所設計から脱却できる。より効率的な路線の構築も現実的になる可能性がある。

 もちろん、この過程は短期間では完了しない。まずは沿線住民に対して、バス会社が金額式定期券の利便性を周知する必要がある。定期券は区間式より金額式のほうが便利だという認識が広まれば、日本の地域交通再編は急速に進むだろう。

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