徳島県の路線バスがついに「交通系ICカード」導入――熊本撤退と逆行、地方交通改革は進むのか?

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徳島県の路線バスに2026年3月、ICOCAを含む全国10種類の交通系ICカードが導入される。通学用定期券の51%が金額式を選ぶなど利便性向上が鮮明で、地方交通の再編や利用率改善に直結する可能性が高まった。

バスICOCA定期券の導入効果

交通系ICカードをチャージするためのトレイ(画像:写真AC)
交通系ICカードをチャージするためのトレイ(画像:写真AC)

 徳島県では路線バスだけでなく、鉄道でも交通系ICカードが使えないことが知られていた。例えば、対応駅からキャッシュレスで乗車してJR徳島駅で降りた場合、清算は現金のみで行う必要があった。路線バスも同様で、ICカードには一切対応していなかった。

 状況は大きく変わろうとしている。2025年10月14日、

・JR西日本
・徳島バス
・徳島バス南部
・徳島市交通局

が、翌年3月に交通系ICカード乗車システムを導入すると発表した。プレスリリースは徳島市が出している。

 徳島市交通局は、徳島バスおよび徳島バス南部と連携し、従来の決済方法に加え、交通系ICカード「ICOCA」を導入する。これにより運賃の現金払いの手間がなくなり、小銭の用意や両替を気にせずバスを利用できる。また、ICOCAを含めた全国相互利用可能な10種類のICカードが利用可能になる。定期券も従来の紙の券から「バスICOCA定期券」に切り替わる。地域交通の利便性は大きく向上する見込みだ。

 なお、徳島市の公式サイトにも同様の内容が掲載されている。交通系ICカードといえば、2024年11月に熊本県の鉄道・バス5社が一斉に取り扱いを中止したことが話題になった。その後、クレジットカードのタッチ決済が導入され、公共交通におけるキャッシュレス決済の環境は大きく変化した。しかし、それは

「交通系ICカードの衰退」

を意味するものではない。地方におけるICカードの役割はまだ完全には把握されていない。

 今回導入される「バスICOCA定期券」は、地域交通の在り方に変化をもたらす可能性を持つ。利便性向上とキャッシュレス化が進むことで、地方の交通利用の形は確実に変わろうとしている。

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