「免許返納したら生活どうなるの?」 老親の運転に7割不安! しかし子ども世代は“見て見ぬふり”の実態だった
高齢ドライバーの事故は家庭と地域、制度に絡む複合課題だ。子世代の7割が親の運転に不安を抱える一方、6割は返納について話したことがない。移動手段不足が沈黙を生み、社会的安全コストを押し上げている現実に迫る。
筆者への反対意見

一方で、免許返納を短絡的すぎると見る意見も根強い。
特に地方部では、バスや鉄道の本数が限られ、タクシー料金も高額である。免許を返納すれば生活圏が狭まり、社会参加が途絶える可能性がある。結果として、身体機能の衰えや孤立が加速し、高齢者の生活の質が低下する懸念もある。この観点からは、運転を続けることはわがままではなく、
「生きるための合理的判断」
ともいえる。さらに、最新の自動車には衝突軽減ブレーキや運転支援機能が普及しており、高齢ドライバーの事故リスクを補う技術が進化している。このため、免許返納よりも
・安全装備の義務化
・更新時の運転適性検査の徹底
を求める専門家もいる。
また、子世代への倫理的な視点も指摘される。親の運転を止めることは、自立を奪うことになりかねない。人生の選択に介入することの是非が問われるため、単純に返納を促すだけでは、家族間の葛藤を深める可能性がある。
このように、免許返納問題には安全確保と生活維持の両立という複雑なジレンマが存在する。事故リスクの軽減と、高齢者の自立や社会参加の保障は、相反する要素として常に議論の中心にあるべきだろう。