「EVだけでは勝てない理由」とは? 日本車は再び世界を席巻できる? 持続可能なモビリティ社会を考える【連載】Make Japanese Cars Great Again(6)
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日本車は国内外でHVを中心に400万台超を販売し確固たる存在感を示す一方、EVやFCV、液体燃料など多様な技術選択が国家の総合力と連携によって求められる転換期を迎えている。
HVの世界席巻
日本の自動車産業を代表するHVは、特別な充電インフラを必要とせず、日常の生活圏で手軽に利用できるエコカーとして強みを持つ。2024年の国内販売では、HVが初めて200万台を突破し、乗用車販売全体の約半数を占めるに至った。これは、ガソリン車からHVへの着実な移行が進んでいることを示している。
海外でも日本メーカーのHVは高い評価を受けている。トヨタの2024年の海外販売台数は前年比129.4%の327万台で、国内販売と合わせるとグローバルで400万台を超える規模だ。ホンダも同年度に約90万台を販売しており、両社だけで500万台を超える。こうした数字は、HVが世界中で確固たる存在感を示していることを物語る。
対照的に、BYDやテスラといったEVメーカーも成長を続けているが、現状ではHVの優位は揺るがない。価格面での利点に加え、EVが補助金や充電インフラに依存する一方で、HVはユーザーの生活圏でそのまま使えるという強みがある。
今後も、HVは国内外での販売を支えつつ、EVやその他の次世代車両との併存によって、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献するだろう。日本のお家芸としてのHVは、技術と市場の両面で輝きを増す段階にあり、その影響力はこれからますます大きくなると考えられる。