制御不能「地上共振」の脅威――ヘリコプターの天敵、瞬時に機体を破壊する見えざる力とは

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2025年、岡山やオーストラリアで相次いだヘリコプター事故は、制御不能の振動「地上共振」が原因だった。最新機でも発生リスクは残り、災害救援や交通インフラでの活用には綿密なリスク管理が不可欠である。

振動増幅の恐怖と対策

ヘリコプター。画像はイメージ(画像:写真AC)
ヘリコプター。画像はイメージ(画像:写真AC)

 ヘリコプターの回転軸とローターの重心がずれると、振動が回転とともに増幅する。この力こそ、地上共振の源である。

 身近な例でいうと、洗濯機の脱水中に服が片寄ってバタバタと揺れ、異音が発生する現象に近い。洗濯機でも家中に響くほどの振動が起こることがある。空を飛ぶヘリコプターでは、出力が桁違いに大きいため、その影響は甚大になる。衣服のように重心が劇的に変わるわけではないが、わずかなズレでも強力なパワーが大きな力となって表れる。対策を怠れば、機体が大破することもあり得る。

 地上共振は旧式のヘリコプターで発生しやすい。新型機では設計段階から対策が組み込まれている。洗濯機も同様で、古い機種ほど揺れやすく、近年の製品ではほとんど起こらない。家電も航空機も、技術革新は確実に安全性を高めている。

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