「インバウンドの一部は悪質」 京都の“観光公害”止まらぬ現実――小泉氏“6000万人公約”に地元警鐘、「増えすぎるのも考えもんや」の声
観光庁の訪日客6000万人目標が、自民党総裁選で小泉進次郎農相の公約として掲げられた。旅行業界は推進に動くが、京都市民の反応は辛らつである。観光公害の懸念が依然として根強い。
京都観光の日本人離れ

日本人観光客には“京都離れ”の兆しが見られる。市観光協会によると、2025年の日本人宿泊数は7月まで連続で前年同月比割れを示した。京都での修学旅行を他に切り替える動きも徐々に広がっている。市内の宿泊施設は宿泊客の半数以上を訪日客が占めるようになった。
市は市バスの
・観光特急新設
・混雑路線増便
で市民の足を確保するほか、訪日客にあまり知られていない観光地を推奨、有名観光地の混雑状況をライブカメラで伝えるなど対策を進めている。JR西日本も嵯峨野線の車両増結や増便に踏み切ったほか、京都駅の改造工事に取り組む予定だ。
しかし、混雑をいくらか緩和できた程度で抜本的な解決に至っていない。下京区の旅館経営者は
「国が無秩序に訪日客を受け入れている以上、日本らしさが最も残る京都に人が集まるのは当然。市やJRが単独でいくら対策しても限界がある」
と指摘する。